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レナードの朝 AWAKENINGS

 この映画を人に勧めた二週間後に、ロビン・ウィリアムは亡くなってしまった。
 ロビン・ウィリアム。実にいい俳優だった。「ジュマンジ」「グッドウィル・ハンティング」「今を生きる」。
 ロボットの役をやったりピーターパンの役をやったり、実に色々な役を演じていた。20、21世紀を代表する名優の一人であろう。
 そんな名優が、これまた20、21世紀を代表する役者ロバート・デニーロと共演したのがこちらの「レナードの朝」である。
 この映画、なんと医師の書いたノンフィクションを題材にしている。実際にありえそうもない話がノンフィクションで、ありえそうな話がフィクション。事実は小説より奇なりとはこの映画のことを言うのかも知れない。
 主人公はロビン・ウィリアム演じる極端に人付き合いの苦手な医師であるマルコム。元々は研究専門医で、臨床の経験はほぼない。彼が新たな病院に赴任する所から物語は始まる。
 彼が担当するのは、物言わぬ患者たちである。話しかけても反応はない。彼ら彼女らは、何十年もの間そうなのだと言う。
 ある日、ふとしたきっかけで、患者がボールをつかむのをマルコムが見る。ためしに軽くボールを投げてみると、患者はキャッチした。まだ反射神経が残っていたのだ。
 その後、マルコムの必死の努力により、少しづつではあるが回復していく患者たち。さまざまな文献を調べたマルコムは、パーキンソン病の薬が効くのではないかと思うようになる。家族の同意を得て、患者の一人であるロバート・デ・ニーロ演じるレナードに薬を投与する。
 次の日レナードは目覚めた。実に30年ぶりの目覚めだった。
 全ての患者が目覚めた。
 彼ら彼女らは、気が付くと年を取っていた。ある者は子供から一気に大人になった。ショックを受ける患者たちもいたが、失われた青春を取り戻そうと、徐々に前向きになって行く。
 レナードは生まれて初めての恋をした。
 彼女に自由に会いたい。マルコムに相談したが、外出許可は下りなかった。
 すると、マルコムは突然暴れだした。薬の副作用である。
 徐々に元の症状に戻りつつあるレナード。恋する女性にはもう二度と会えないかも知れない。それ以上に、動けなくなった自分を見せたくない。
 レナードは女性に別れを告げなければならなかった。女性とレナードはダンスを踊る。私はこのダンスのシーンで泣いてしまった。これ以上せつないシーンを見たことがなかった。
 再び死んだようになったレナード。
 落ち込むマルコム医師に、看護師は優しく声をかける。
 「命は与えられ、奪われるもの」
 
 人間は皆生まれながらにして死刑囚である。
 今この瞬間も、我々は死に向かって歩みを止めない。
 それでもその過程において、さまざまなものを得、失い、また出会う。
 レナードにはその過程はなかったのである。
 はたして、マルコムのやったことは正しかったのかどうか?
 それは誰にもわからないことなのかも知れない。
 
 

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