ニューダンガンロンパV3 CHAPTER3 転校生 オブ ザ デッド ネタバレあり感想

 

CHAPTER3は本格ミステリー的に傑作だと思う

 

文学は数多くの類型を持つ。

純文学、ファンタジー、サイエンティフィックフィクション、ミステリー

ミステリーの中でも特に異端とも言えるのが「本格ミステリー」と言われる分野だ。

アガサクリスティ、エラリークイン、ヴァンダインなどが代表的で、同時に彼らで全て出尽くしてしまったともいわれる分野で、文学としての評価は非常に低い。

海外を例にとっても本格ミステリーの書き手がノーベル賞を受賞したことはないし、日本でも直木賞を受賞したのは東野圭吾の「容疑者Xの献身」ぐらいだろうか?

本格ミステリーの帝王とも呼ばれる島田荘司が悉く文学賞に縁がなかったことからもその評価の低さがわかる。

思えば横溝正史もそれほど評価が高かったとも言えなかったかも知れない。

「獄門島」や「犬神家」「八つ墓村」などは日本の村社会の風習などに根差しており、日本はもちろん海外でも評価されてよいと思うのだがなぁ

今回のCHAPTER3は横溝正史っぽさと江戸川乱歩っぽさがあってよかった。

メインのトリックは結構無理があるような気がしたが、往年の本格推理っぽかったし、犯人の狂気もすごかった。

何より、犯行が終わり、裁判が始まった時点でもまるでトリックも何もかもがわからなかったのはすごいと思う。

私は推理小説だけでも500冊以上は読んでいて、恥ずかしながら某賞の予選だけは通過したこともあり、よほどのことがない限りある程度展開は読めるのだけれども、今回は本当に全く分からなかった。

犯人だけは裁判前から多分コイツだろうと思っていたのが、どうやって殺したのかは全く分からなかった。

 

無理があるのも本格ミステリー

本格ミステリーが評価が低い理由は一言でいうと無理があるからだろう。

今回のメイントリックもかなり無理がある。

鎌の設置はよほど強固にしないと成り立たないし、テコの原理が働きすぎて実際やったら犬神の像が倒れてしまうだろう。

アンジーを運んだ際廊下に一滴も血が落ちなかったのは無理があるだろうし、そもそも塩の魔法陣をたどって真っ暗な中移動できるかは大いに謎だ。

そもそも鎌をどうやって固定したんだろう?

そして鎌を隠し持っておくのはかなり大変なんじゃないかと思う。

けどまぁ、そういう無理があるのも本格ミステリー

 

CHAPTER3までは過去最高傑作だと思う

現在CHAPTER3 までやってみて、この時点では1・2よりも出来がよかったと感じる。

正直V3は大幅劣化を覚悟していたが、過去作と遜色ないレベルにあると思う。

もっとも、2は最終章が本当にすごかった。

ダンガンロンパの続編としてはあれ以上の何かを作ることは不可能だろう。

ターミネーター2やエイリアン2を作ったジェームズ・キャメロンでさえ無理だと思う。

以下2のネタバレ含む

2はとても丁寧に伏線を張ってあった。

特に十神白夜が何故か太っていて、意味深なことを呟いたことや「狛枝凪斗」は「ナエギマコト」のアナグラムだったことから実は1の後の物語なのではないかとにおわせておいて実は2人とも全然関係なかったと思わせてからの本物登場。

そして主人公たちの意外な正体を明かした後に意外すぎる黒幕の更に黒幕の登場とゲーム史上最高傑作と言ってもよいできだった。

V3は一体これからどんな結末を迎えるのだろうか?

楽しみでもあり不安でもある。

ある意味これ以上ないほどえげつないお仕置きだったかも~テーマは目に見えない何か~

イスラム教原理主義者たちが自爆テロを行えるのは、死後の世界に希望を持っているからだ。

今回の犯人もそうだった。

CHAPTER3自体が「宗教」をモチーフにしていて、アンジーの宗教は生きている時に作用する宗教と言え、真宮司の宗教は死後に作用する宗教と言えるかも知れない。

あるいは百田の「信じる」というのも一種の宗教だと言える。

「宗教」ではなく「信仰」がモチーフかも知れない。

アンジー達と百田の違いは神様を信じるか人を信じるかの違いかしかなくて、根本は同じものだと思う。

百田の言ったように「自分の信じたいものを信じる」というのはまさに宗教だ。

かつてカール=マルクスは「宗教はアヘン」だと言ったが、現在の世界の状況を見るにもっとすごいかも知れない。

真宮司はある意味「死後の世界で姉と会える」という信仰をもって犯行を行ったのだけれど、最後にモノクマに阻止された。

これってある意味えげつない。

誰にでもある大切な誰かとの別れの際、死後の世界でまた会えるのを楽しみに立ち直った人も多いのではないか?

私なんかはその典型例なのだが、死んだら〇〇に会えるというのは死に対する救いなのだ。

誰だって死は怖い。

この世で積み重ねた一切がなくなるのだから。

でも、一方で死に対して希望を抱くのも人間だ。

もしもどうやっても死ねないとしたら?

それ以上に絶望的なことがあるだろうか?

 

 

 

スポンサードリンク




管理人が運営しているサイト

管理人が運営している教育系サイト