ポケモンの歴史5 ブラック・ホワイト BW2 通称第5世代

 私が10年ぶりにやったポケモン。
 赤・緑、金・銀以来だったので、変わりように驚いた。
 何より驚いたのは、インターネットを通じて知らない人間と対戦できる点だ。
 私が小学生の時、それは夢でしかなかったのだが、科学の進歩ってすげーと言わざるを得ない。
 ストーリーはかなりいびつで、ポケモンの開放を願う新興宗教「プラズマ団」との戦いがメインストーリーである。
 シリーズ史上初めてチャンピオンが敵のボスに負ける。
 アデク、N、ゲーチス。やたら濃いキャラの人たちが出る。
 このブラック・ホワイトに関しては、ストーリークリアするまで、新ポケモンしか出てこない所に特徴があったと思う。
 ローブシンにナットレイなど、種族値はあまり高くないが、無駄のない配分の強ポケが印象的だった。
 対戦環境は大分整ってきたが、乱数や改造がこの上なく増大した。加えて、インターネット対戦の切断の多さが問題にもなった。
 その後、マイナー版がでるかと思ったら、BW2が出た。シリーズ史上初めてマイナー版が出なかったのである。
 BW2の評価は高い。
 BWの時のような電波はなりを潜め、少年向けRPGの王道といった感じのストーリーに加え、教え技や過去のチャンピオンとの戦いなど、シリーズ総決算的な意味合いを持つ作品に仕上がった。
 切断対策などもとられ、対戦環境はよくなった。
 一方で今日ポケの固定化が進んでしまい、似たようなパーティばかりになってしまった。
 売り上げはブラック・ホワイトが540万本、BW2が300万本となっている。
 売り上げを全然落としていない所がすごい

ポケモンの歴史4 ダイヤモンド パール プラチナ 通称 第四世代

 この頃のリアルタイムポケモン事情がどうだったのかは知らない。
 だが、このダイヤモンド・パールを境に、火力インフレと呼ばれる言葉が目立つようになった。
 そもそも前世代のルビー・サファイアにおいては、耐久型がとても強かった。
 ダメージを与えてもすぐに回復してしまうので、闘いが長期化してしまったのだ。
 そこでこの第四世代では、超火力でもって一気に勝負を決める!! という型が流行するようになる。ゴウカザルのインファイトやガブリアスの逆鱗などである。
 厳選も大分楽になった。が、役割破壊と言われるめざめるパワーなどの厳選もあり、相も変わらず廃人を量産していた。
 システム面では成熟期に入った感があり、売上も3作で800万本を超える。
 この頃から敵役の電波度がひどくなっていったような気がする。敵の行動理念がよくわからない…
 シリーズ初の女性チャンピオンのシロナは人気が高く、これ以降のシリーズにも頻繁に顔を出している。ニコニコ動画ではずかシロナと検索すると面白い動画が見られる。何の予備知識もなく見た私は、文字通りお茶を吹いた。
 なお、金・銀のリメイクもこの世代に入る。
 

ポケットモンスターの歴史 サファイア ルビー エメラルド 通称第三世代

 この世代を実際にプレイをしたのは、私がもう25歳を超えていた頃だと思う。
 金・銀以来ポケモンから遠ざかっていた。ふとしたきっかけでサファイアをやったのだが、よくわからないというのが当初の感想だった。
 ゲームボーイアドバンスになったということもあり、前作との互換性がなくなった。その為、登場するポケモンはほとんどが新しくなったのだ。
 ただ、どういう訳かこちらが使うポケモンが弱いのが多い。ギャラドス(はねるが進化した凶悪ポケモン)もびっくりするぐらい弱くなっていた。これは仕様が大きく変更になったからだったのだが、当初は訳が分からなかった。ので、実はこれもあまりやっていない。
 もっとも、音楽は非常に良かった。四天王やチャンピオンの音楽は素晴らしい。延々ホットペッパーを繰り返しているように聞こえるが。。
 ここでポケモンは分岐点に差し掛かったのだと思う。
 具体的には
 ・三値
 ・特性
 ・性格

 の重要性であろう。
 三値とは、「種族値」「個体値」「努力値」のことである。
 種族値とはそのポケモンの種類の持っている能力のことである。これは今までもあった。
 個体値とはそのポケモン特有の能力である。
 例えば、サンダースというポケモンの素早さの種族値は130である。
 ここに2体のサンダースがいる。一方の個体値は1、もう一方は31だとする。
 すると、後者の方が絶対に早くなる。
 個体値は1から31まであり、数値が高い程よい。
 努力値とは後天的に能力を伸ばせる値である。
 例えばインドメタシンという薬があり、これは素早さの努力値を10上げてくれる。
 これは今までもあったのだが、この第三世代から仕様が変わる。
 今までは、各努力値は最大100までしか上げられなかった。が、今回から252まで上げられるようになった。ただし、合計であげられる数値は変わらない。
 よって、素早さと力に特化してもよいし、全パラメーターに振り分けてもよい。
 これが三値である。
 さらに性格も重要になった。
 例えば意地っ張りという性格のポケモンだと、攻撃が通常の1.1倍になり、特殊攻撃は0.9倍にある。臆病なら素早さ1.1倍、攻撃0.9倍。
 サンダースを例にとると、極限まで素早さを上げた場合200となる。最も遅いサンダースの素早さは122。
 これによってポケモン対戦に対する敷居はとても高くなってしまった。三値や性格はややこしく、子供には理解し難い。また、理想的な個体値を求める「厳選」と、その面倒を避ける「乱数」や「改造」が横行してしまうことにもなった。
 三値によって対戦の奥深さは計り知れなくなったが、闇の深さも計り知れなくなってしまったのであった。
 ちなみに、ルビー・サファイア・エメラルドで700万本を売り上げ、赤・緑のリメイクであるファーアーレッドとリーフグリーンは300万本を売り上げている。
 リメイクでも妖怪ウォッチより売れているポケモン。やはり恐るべし。
 
 

ポケットモンスターの歴史2 金 銀 通称第二世代

 ポケットモンスターの歴史を考えるにつけ、口コミの重要性について考えさせられる。
 ポケモンは口コミとコロコロコミックによって爆発的に広まっていった。
 商売の基本は口コミにあり。
 現代社会において、どの企業も頭を悩ませているのは販促費、すなわち販売促進費であろう。
 商品が認知されなければ売れない。大量生産・大量消費を支えているのは、大量の認知である。
 経済競争において大手企業が有利なのは、この販促費の違いにも表れている。大企業は大手メディアを使いCMを打つ。その信用性で商品を買う。
 良い商品は口コミから広まる。
 そしてその商品はブランド化していくのである。
 大ヒット商品の続編は大変である。出せば確実に売れる。一方で合格のハードルは高い。
 続編が駄作の映画やゲームなんて、それこそ腐るほどある。
 その意味で、金・銀は重要な役割を果たしたと言えるだろう。
 下手なものは出せない。その思いからか何度も発売延期を繰り返し、実に5年ぶりの新作となった。
 舞台は前回のカントー地方からジョウト地方に移る。以前よりも2種類タイプが増えた。悪と鋼。
 両方とも絶対強者だったエスパータイプに有利に作られていた為、エスパータイプは一気に弱体化が図られる。逆に冷遇されがちだった格闘タイプや炎タイプの地位がぐーんと向上した。
 パラメーターも少し変わった。
 赤、青、緑の時は、
 HP
 攻撃
 防御
 素早さ
 特殊
 だったのが、特殊が分化し、
 HP
 攻撃
 防御
 素早さ
 特殊攻撃
 特殊防御
 の6パラメーターになった。
 そのせいでカビゴンがやたら強くなったり、ギャラドスやフリーザーが弱体化した。
 バンギラスやハッサムなどの、現在での強ポケモンが誕生したのもこの頃だ。
 ポケモンが卵を産むようになり、チャンピオンを倒した後に前回の舞台カントー地方に行けるようになる。最後は前回の主人公と戦うという知っている限りゲーム史上初の試みがされた。
 もっとも、実は私はあまりこの第二世代はやっていない。
 このゲームが発売された頃、私は中3だか高校生だった。急速にゲームに対する関心が薄れていたのだ。
 ちなみに、金銀クリスタル合計で700万本売り上げたらしい。
 スウェーデンの人口900万人。
 やはり怪物ソフトだなぁ。
 ちなみにリメイクも出されている。こちらは仕様上第4世代に属する。良リメイクとして評判である。

ポケットモンスターの歴史1 赤 緑 青  通称第一世代

 休みの日にひたすらポケットモンスターについて書く31歳。それって素敵やん。。
 ポケットモンスターが発売された時、私は小学5年生だった。
 ポケモンが発売された当時、世間は全くその存在に気づいていなかった。
 原因はこのCMであろう。
 https://www.youtube.com/watch?v=mjCK2D88bCs
 
 このCMのことはよく覚えている。こんなクソゲー誰が買うか! と思った。あの時、誰もがそう思ったに違いない。後に全世界で1000万本を売り上げる怪物ソフトは、全く売れなかったのだ。
 クラスで一人だけそのクソゲーに嵌っている奴がいた。テツというその男はホラ吹きで有名だった。奴に言わせると「飲茶」は飲むもので、マリオシューティングが新発売されるらしいと一人で騒いでいた。奴の飼っている猫は近隣を荒らし、奴の家は白い靴下が帰りには黒くなっている程汚かった。
 あろうことか奴はしつこくポケモンを買うように要請してきたのだ。勿論買う気はなかったのだが、突然家にやってきて一緒に買いに行くぞと言われ、結局買いに行くはめになった。
 結論から言うと、めちゃくちゃ面白かった。
 まさしく冒険をしている感があった。
 男の子は冒険が好きだものね。主人公の母親が最初に言う言葉である。
 当時はネットなどなかったので、情報は限られていた。どのポケモンが進化するとかよくわからなかった。ゲーム中、いきなり500円でうりつけられたポケモンががねる(敵にダメージを与えられない。意味のない技)しか覚えていなかった時の絶望感、そしてそのコイのポケモンが凶悪なポケモンに進化した時の高揚感。ヒトカゲを選んでしまった為タケシやカスミが以上に強かった記憶。ロケット団との戦い。意外なラスボス。燃える音楽。
 発売当時クラスで二人しかやっていなかったポケットモンスターは、私が中2になるころには、クラスで二人ぐらいしかやっていない人間がいない程になっていた。
 テレビ番組(マリオスタジアムという渡邊徹が司会の番組)では毎週熱い対戦が繰り広げられ、幕張メッセでは頻繁にイベントが開かれた。アニメも始まり、主題歌がオリコンでベスト10入りし、劇場版は日本のみかアメリカでもNO1になるなどまさしく社会現象になっていった。
 完成度で言えば今のポケモンには遠く及ばない所がある。エスパー(という言うよりミュウツーやフーディン)がやたらと強く、ゴースト技はしたでなめる(超弱い)、ドラゴン技は竜の怒り(固定40ダメージ)しかないなどお粗末な点が多かった。
 それでも、自分が小学生だったということもあるのだろうが、初代ポケモン(第一世代)が一番面白かったと思う。

妖怪ウォッチとポケットモンスター

 職業上の理由もあり、妖怪ウォッチもポケットモンスターもやった。よく比較される両者だが、当然似ていて非なるものである。
 まずは妖怪ウォッチの特徴
 発売四か月弱で250万本を売り上げた化け物ソフト「妖怪ウォッチ2」。
 制作は「ダンボール戦機」や「イナズマイレブン」でおなじみのレベル5。
 ある日妖怪が見えるという「妖怪ウォッチ」を手に入れたケータ君とその仲間妖怪の物語。
 ジバニャンやウィスパー、コマさんなどの人気キャラクターがいる。
 当初は全く売れなかったが、メディアミックスを通して徐々に人気が出た。
 現在アニメも絶賛放映中。視聴率は7%を超えたこともある。アニメは主に小学校低学年とその保護者層をターゲットにしている。
 ゲームのターゲット層は主に小学生~中学生であるが、大人がやっても楽しめる。子供のゲームをやっていたお父さんお母さんがはまってしまうのはよくある話。
 妖怪ウォッチの面白さは? 
 主な楽しみは、何かを集めることにあると思う。
 妖怪は400種類近くいる。昆虫採集も楽しめる。釣りも楽しめる。
 男の子は何かを集めるのが好きである。牛乳瓶のふた(登場人物が実際にあつめている)やらマッチ箱やら、女性から見て何の役にも立たないようなものを集めるのが好きである。
 ストーリーやサブクエストも多い。
 ストーリーはその気になれば10時間ぐらいで終わらせられると思う。本筋とは一切関係ないサブクエストも豊富だ。秘密基地関連や学校の怪談、肝試しなどのクエストが楽しめる。僕の夏休みみたいなものか。
 対戦や交換もできる。時代の進化は凄まじいもので、今はネットを使って対戦もできる。対戦に勝つと得点がもらえ、ランクが上がる。妖怪10級から始まり、妖怪初段、達人、魔人、最後は妖怪神となる。ランクが上がるとそのたびにレアアイテムがもらえる。
 えんえんトンネル。入るたびに長さが変わる不思議なトンネル。奥に行くとレアアイテムやレア妖怪が出てくる。
 そして最大の特徴は、妖怪ガチャであろう。
 パズドラやドラクエモンスターズでおなじみのガチャが妖怪ウォッチにもある。
 ぶっちゃけパクリである。あらゆるゲームのいいとこどりをしたゲーム。それが妖怪ウォッチである。
 12月にマイナーチェンジ版が出る。7月に発売、12月にマイナーチェンジ。汚いとみるか商魂たくましいとみるかはひとそれぞれ。ただし、真打がないと妖怪をすべて集められないようになっているということだけは記しておく。
 ポケットモンスターの特徴
 いわずと知れた怪物ソフト。
 今までたくさんのソフトが出ており、それぞれ第何世代でくくられる。
 アニメも絶賛放映中。視聴率は妖怪ウォッチに抜かれている模様。関連商品も妖怪ウォッチに押されている様子である。
 時代は妖怪ウォッチに傾きつつあるが、11月にリメイクが出る。巻き返しなるか?
 アニメと違って、ポケモンマスターという言葉は出てこない。ただ、どのストーリーも最終的にはチャンピオンに勝利することが目標となっている。
 ポケモンの種類は600種類を超える。全部覚えるのが大変である…
 ポケモンの面白さとは?
 シリーズによって多少違うが、交換と対戦であると言ってよいと思う。
 妖怪ウォッチと違って対戦は奥が深いが、その分お子様立ち入り禁止になってしまっている現状である。三値、相性。流し、受け、などの概念の理解が必要であり、小中学生には難易度が高い。
 交換は、ポケモンが増えすぎたため、全部をコンプリートするのが難しく、また劇場版限定のポケモンが多いなど、当初(初めは150匹}のような活発さは見られない。
 ポケモンは出せば売れる。その完成されたシステム故に、いまや硬直状態にあると言えるかも知れない。
 いまや勢いは妖怪ウォッチにある。
 しかし、10年先に残っているのはどちらかという議論になると、大概の人がポケモンと答えるであろう。
 二つの共通点と違い
 共通点
 二つとも妖怪やモンスターを集める。
 RPGである。
 メディアミックスをしている。
 3DSでできる。
 子供に人気。
 対戦や交換ができる。
 ほかの業種とのコラボがある(TUTAYAやマックやセブンなど)
 違い
 妖怪にはランクがある(S~E級) ポケモンにはレア度がない。
 妖怪には属性はない(族はある。イサマシ族など) ポケモンにはタイプがある(炎タイプや水タイプ)
 妖怪ウォッチは現代日本が舞台、ポケモンはポケモンワールドが舞台。
 ガシャのあるなし。
 
 個人的に、最大の差別化は妖怪のランク分けにあると思う。純粋にランクが上の方が強い。EとSでは絶望的な戦力差がある。子供はレアな妖怪が好きだ。妖怪ウォッチはセブンやナムコのゲームセンターなどで、レア妖怪の配信を行っていた。この点は優れたビジネスモデルであると思う。他の企業にもメリットがある。
 対するポケモンにはこんな言葉がある。
 強いポケモン、弱いポケモン、そんなの人の勝手。本当に強いトレーナーなら、好きなポケモンを使って勝つべき
 ポケットモンスターというゲームを一言で表した言葉であろう。

スウェーデン製品

 ミレニアムに嵌りすぎて、スウェーデンについて色々と調べてしまった。
 スウェーデンは人口900万人程の北欧スカンジナヴィア半島にある王国で、現在は立憲君主制を採用している。
 先進的な政治制度と福祉制度を持つ北欧諸国代表みたいな国で、「社会科学の実験国家」とも呼ばれる。
 アメリカのNGOによる失敗国家ランキングでは177か国中177位(ちなみに1位はソマリア。北朝鮮は26位)。
 その制度は諸外国の参考とされ、日本では北欧諸国の「ゆとり教育」を形だけ導入するも失敗。福祉政策でも遠く及ばずである。
 スウェーデンでは公務員が多い。実に国民の3割が公務員であるという(日本では一割)。女性の社会進出率も高く、GDPも世界19位である。人口比を考えると、これは凄まじい結果であると言えよう。
 製造業も強い。エリクソン、ボルボ、イケア、H&Mなど、世界中で知らぬ者のいない企業はスウェーデン発祥である。私の愛用している掃除機もスウェーデンのメーカーのもので、やはり性能がいい。ダイソンとどちらを買うか迷ったが、こちらを買ってよかったと思う。
 これだけ国際的な企業が多いのは、義務教育においてアメリカ英語を取り入れているのも大きいのかも知れない。スウェーデン人は大抵英語で会話することが可能なそうだ。国際社会で活躍するのには英語。日本も英語が義務教育化されているのだが…
 ちなみに、アルフレッド・ノーベルもスウェーデン出身で、ノーベル賞もスウェーデン王立アカデミーによって主催されている。有名なサッカー選手ズラダン・イブラヒモビッチやヘンリク・ラーション、女優のイングリッド・バーグマンもこの国の出身だ。
 破綻が見えている我が国と違って、スウェーデンは理想的国家に見える。が、やはり内政面では問題を抱えているようである。
 欧州全体に言えることではあるが、移民政策は国家を揺るがしかねない問題だ。
 高福祉国家スウェーデンに移住したがる人間は多く、元々住んでいる人間達との軋轢は大きいようだ。
 日本もそのうち移民を多く受け入れることになるかも知れない。スウェーデンがどのように問題解決していくのか、全世界が注目している。
 

ミレニアム ドラゴンタトゥーの女 上 8

 今日は休みだ。30を超えてから休日に外に出る習慣が一気になくなった。友人たちは大概結婚し、たまっていた洗濯と掃除と犬の散歩をしたら一日が終わっている。どうにかせねば…
 さて、このブログは基本的には重大なネタバレをさけようと思っておるので、詳しい暗号の解読方法などは書けないのだが、前回の暗号めいたメモはハリエット失踪事件を解くカギになる。ミカエルはそう確信したのだが、早速息詰まる。
 32で始まる電話番号は、ハリエットの失踪したヘーデビー島の近くのヘーデスタで使われていた。それで片っ端からあたってみるのだが、まったく手がかりがつかめない。
 一方でリスベット・サランデルは、自分を好き勝手にしたビュルマン弁護士に対する復讐を果たしていた。彼の凶行をビデオに撮り、体に「私はサディストの豚野郎です」という刺青を彫る。これはミレニアム2の伏線にもなっているのである。
 そんなこんなで上巻は終わる。
 特に進展もないまま、リスベットとミカエルが会うこともなく、物語は怒涛の下巻に突入するのである。
 筆者はここまで読んで、次の日速攻で本屋に向かってしまった。
 ミレニアムと言う本は、私が今まで読んできたどの本とも違っていた。
 ミステリーというのは大半において、死体があって初めて事件が発生する。勿論ロアルド・ダールのような奇妙な味に分類されるミステリーもあれば、探偵者のように依頼を受けてから殺人が発生する場合もある。
 だが、ミレニアムに関しては、発生した事件が何なのか? という問いが発せられている。
 ある種の本格的ミステリーではない。謎解きに必要な情報が提示されないのである。
 ミレニアムは、謎解きを主とする本ではない。
 この本の原題は「女を憎む男達」と言うらしい。
 スウェーデンでは女性の18%が男性に脅迫された経験を持つ。 
 スウェーデンでは女性の46%が男性に暴力をふるわれた経験を持つ
 章の合間合間にこういった一文が載せられている。北欧と言うと先進的なイメージがあるので、かなりショッキングな文章だった。
 この物語では、女性がかなりひどい目に逢う。そう言った理不尽への作者の怒り。それが随所に見られる。
 あとがきに、少し面白いことが書いてあった。
 サランデルは女性でありながら男性的で、ミカエルは男性でありながら女性的である。
 最近の日本人はそうなりつつあるよなぁ。

ミレニアム ドラゴンタトゥーの女 上 7

 その頃リスペット・サランデルはひどい目に逢っていた。
 彼の理解者であり後見人であるパルムグレン弁護士が卒中で倒れてしまう。代わりに後見人になったビュルマンという男が最悪で、あろうことかサランデルを無理やり…。
 ミカエルはひたすら捜査資料を読み込み、表向きの仕事もきちんとする。ヴァンゲル家の連中は皆怪しい人間ばかりだ。魑魅魍魎とでもいうべき輩で、誰がハリエットを殺してもおかしくない。
 ヘンリックの4人の兄たち。大抵ナチス昏倒者である。作者であるスティーグ・ラーソンは反ファシズムを標榜しているらしいし、かなり怪しい。
 ハリエットの両親。完全にいかれている。父は溺れ死んだらしい。母は狂人に近い。
 ヘンリックの甥姪。地方議員やら出版社経営やらやっているが、大体ろくでもない連中。ただし、姪のセシリアだけは頭が切れる。もしもミカエルの本当の狙いを見抜く人物がいるとすれば、セシリアだろうと。そしてその通りになり、ミカエルはセシリアと男女の仲になる。この男は。
 ハリエットの兄マルティン。ヘンリック引退後のヴァンゲルグループ総帥。人はいいが、強引さに欠けるらしく、グループは衰退傾向にある。ミカエルに一番協力的。
 ミカエルを悩ませたのが、容疑者が多すぎるということ。そもそもハリエットは本当に殺されたのかもよくわからない。なにせ、死体が見つかっていないのだ。ヘンリックは海中まで捜索させたらしい。それでも当時10代前半だったハリエットが、誰の目にも留まらず島をでることなど不可能。
 段々自分で何をやっているのかわからなくなってきたミカエルだったが、ハリエットが残した謎のメモに注目する。
 magda 32016
sara 32109
rj 30112
rl 32027
man 32018
 さて、みなさんにはこの謎が解けるでしょうか?

ミレニアム ドラゴンタトゥーの女 上 6

 事件はヘーデビー島で起こった。
 島の出入り口は大きな橋が一つ。ヨットハーバーなどもあるが、基本的にはこの橋を通らねば島には出入りできない。ミステリーの定番クローズド・サークルに近い。
 事件のあったと思われるその日、島ではもう一つの事故が起こっていた。橋の上で事故が起こり、その日は通行止めとなっていたのだ。そして気が付くとハリエットがいなくなっていた。
 その後夜通しの捜索にも関わらず、ハリエットは発見できなかった。
 ミカエルは様々な仮説を立ててヘンリックにぶつけるが、それらの可能性はすべて排除された。
 全ては考えつくされ、あらゆる可能性は検討された後だった。当時の捜査資料を読むに、手抜かりはない。
 文字通りハリエット・ヴァンゲルは消えてしまったのだ。