いまや飛ぶ鳥を落とす勢いのジョン・ハートの、アメリカ探偵作家クラブ賞〈通称エドガー賞)最優秀長編賞受賞作。
はっきり言って賛否両論だと思う。
私はこの本を読んだ後2日間はやきもきしっぱなしだった。
救いがない話である。
好きか嫌いかと言われると、好きな部類ではある。
それでも、ある登場上人物がクソすぎる。
基本的に自分のことしか考えていない登場人物達。
そこに巻き起こされる悲劇の数々。
ある意味では底の浅い小説であると思う。
それでも恐ろしい程に惹きこまれていく。なんとも言えない感覚であった。
出来の悪い「武器よさらば」だと思えば悪くない。
でもそこまで失いきれてない。
色々な意味ですごく惜しかった。
もう少しで傑作になりえたのに。
そんな感想を抱く。
色々書いたけど、値段分の価値は絶対にある。
何も印象に残らない本が多い中で、この小説はいつまでも心の中に残っていると思う。