暑くなったり寒くなったり。
少年誌はいつだって熱くいて欲しいぜ!!
ワンピース
ワンピースはいつも幕間が楽しい漫画だ。
アーロンを倒した時、クロコダイルを倒した時、CP9を倒した時、世界のことが少しずつ明るみに出て、そしてシャンクスが出てきた。
扉絵に出てきたガープがルフィの祖父だった時は本当に驚いた。
ガープは実はアーロンのあたりから扉絵に出てくるキャラクターで、本編に登場するまでに4~5年以上経過していた。
尾田という稀有な構成力の持ち主に感嘆以外の言葉が見つからなかった。
ワンピースはいつだって我々読者を裏切り続けてきた。
いい意味で。
でも、最近は悪い意味で裏切り続けているように思う。
今回は、まったくワクワクしてこなかった。
懸賞金に今更意味があるのだろうか?
かつて空島編が終わり、ドフラミンゴが「時代のうねり」について語った時、確かにワクワクした。
今回、同じ人物が同じことを言っているはずなのに。
少年の時より待ち望んでいた展開が、もうすぐ訪れるはずなのに。
暗殺教室
凸凹コンビですな。
負けフラグがビンビン過ぎるのだが、逆に凸凹コンビが勝っこの漫画を見直す。
昔から、アンパンマンに負けて欲しいと思う子供だった。
それは、最後に必ずアンパンマンが勝つとしっていたからであろうと思う。
ころせんせーが必ず勝つ。
その結果が見えているから、凸凹コンビに頑張って欲しいと思う。
応援はしないけど。
結果の見えた勝負は面白くない。
明日のジョーがなぜあれだけ面白かったのかと言うと、最後まで勝敗がわからなかったからだと思う。
ジョーは結構負けている。
力石には一度も勝てなかったし、ホセ・メンドーサにも負けた。
でも、ジョーの魅力は1ミクロンたりとも減ずることはなかった。
昔、海皇記という漫画があった。
実に面白い漫画だったのだが、途中から急激につまらなくなった。
主人公マンセーが酷くなり過ぎたのだ。
アイシールド21も、主人公側が勝たなきゃいけない側に立ってしまってから急激につまらなくなった。
王城に負け、西部ガンマンズに負けても主人公達は魅力的だったのに、神龍寺に勝ち王城に勝ち、どんどん魅力を失っていった。
勝ち続ける主人公よりも、負けることもある主人公の方が魅力だ。
ダイの大冒険やマキバオーも結構負けている。
負けることは魅力的なことなのだと思う。
火の丸相撲
間違いなくジャンプで今一番面白い。
主人公が負けるからだし、敵が魅力的だからだと思う。
高校野球がなぜ面白いかと言うと、互いに勝ちたいと思う者が全力で戦うからだと思う。
勝ちたいと願わなければ勝てないが、願っただけでは勝てない。
今週の展開は熱かった。
少年誌に求めるのはこの熱さだ。
結果のわかっている勝負じゃない。
不確定な未来を掴もうともがく姿だ。
今回の展開は、山王戦のスラムダンクの赤木を思い出した。
赤木は、190㎝を越える体格を持つが、チームメイトに恵まれず、いつも1回戦で負けていた。
そんな赤木が全国の覇者山王の河田にまるで手が出ない。
あまりの圧倒的な差に一時期は絶望する。
絶対に勝てない相手であった河田。
しかし、赤木は気づく。
自分が河田に勝てなくても、湘北というチームは山王に勝てると。
ある意味では真のキャプテンになった名シーンであり、同時に負けを見つけることで新たな道を見つけた瞬間でもあった。
負け続けた人間ほど、負けたくないと強く思うようになる。
負けの意味を知っているからだ。
バカボンドという漫画で、宮本武蔵が負けた時、
「敗けじゃねぇ、勝ちの途中だ」
というシーンがある。
人が本当に負ける時って、勝ちを諦めた瞬間なんじゃなかろうか?
誰もが勝って終われる訳じゃない。
勝つこと以上に、負けることの重要性を教える方が大事なんじゃないかと思う。
だから少年誌には、負ける主人公の存在が不可欠なのだ。
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銀魂
最近、人が死に過ぎてしまっているな…
アブトさんはどんどんいいキャラになって行く。
夜兎という戦闘民族らしからぬ冷静なキャラクターだけど、腕取られたり耳とられたり作中でもワーストクラスに酷い目に遭ってしまっている。
けど、全く悲観的でない所がなかなか。
普通片腕なくなったら凹むよ?
それでもカムイには文句ひとつも言わずについて行く。
なんか男じゃのう。
に、しても色々と忙しい展開である。
この前まで高杉と死闘を演じていたはずなのに、今では高杉の無事を祈っている。
そして万斎さんがお通ちゃんのプロデューサーだった話はいつのまにかどこかへ消えてしまっているような気がする。
てか、お通ちゃんってどうなったんだ?
連載が長すぎて、段々と誰がどのキャラクターだかよくわからなくなってきた。
なにせ、皆顔が似ているのだから
おっと、誰かきたようだ
バクマン
中井さんが出てこないじゃないか!!
誰も期待しなかっただろうけど。
この漫画の最大のがんは亜豆だと思う。
ラッキーマンの時からこの作者はメインのヒロインを作るのが下手なんだよなぁ。
ジャンプではいつのまにかヒロインがフェードアウトするのはよくあることだが、この漫画はさっさとフェードアウトした方がよかった。
これほど好感の持てないキャラクターも珍しい。
そして全く好感がもてないのになぜかプッシュされてしまう。
まるでオ○カーみたいだ。
あんまり書くとこのブログ毎消されかねないな…
に、しても石沢くんもサイコーもやっていることもあまり変わらないのに、扱いが酷いな。
石沢君の性格の悪さは否定しようもないが、主人公2人も似たようなもんだと思う。
今回の終わりの続きの屋上での会話は凄まじいものがあった。
主人公2人というよりも、作者の歪み切った人格が全開だった。
長年に渡って鬱積した「俺は頭いんだ俺は頭いいんだなぜおれを認めない?」という作者の心の叫びが聞こえてゾッとしたのは私だけじゃないはずだ。
ただ、そういう歪みというのは何かを生み出す契機になるのだろう。
太宰治なんかもそうだし、ビート武もそんなことを言っていた。
内容はともかく、この漫画には異常な程のエネルギーがあった。
圧倒的な負のエネルギーに満ちた漫画。
それがバクマン。
ただ、王道だけが漫画じゃないよなぁとは思う。
散々文句言っているけど、なんだかんだで毎週この漫画を楽しみにしていた。
これもまた、主人公達が負ける話だからかも知れない。
圧倒的天才新妻エイジ。
天才にとって努力なんて言葉はないのだ。
凡人にとっては努力に感じられることも、天才にとっては努力ではなく楽しみなのだ。
努力は辛い。辛いからこそ成果を求める。
楽しみでやっていることに辛さはない。だからやれる。
新妻エイジにとって漫画を描くことは呼吸をすることと変わらない。
漫画を描くことは目的であって手段ではないのだ。
主人公達にとっては、漫画を描くことは手段であって目的ではない。
この差は大きい。
私もかつて法律の勉強をしていた。
私にとって法律の勉強は努力だった。
苦痛でしかたがなかった。
法律の勉強は手段だった。
でも、法律の勉強が楽しいという人間もいた。
学力で言ったら、当時は自分の方が大分あったと思う。
ただ、私はそれを続けられなかった。
我慢し続けた分反動が大きかった。
法律の本は全て捨てた。
もう、二度と法律に関する本は読みたくないと思った。
教育業界にいる人間にはありがちな話だ。
件の彼は弁護士資格を持つ学者になった。
法律の勉強が好きなのだそうだ。
天才との差をいつも思い知らされる人生だった。
だから、この漫画が好きだったのだと思う。
まぁ、主人公達も立派な天才だけどな!!
少年ジャンプで連載できるなんて、1にぎりの天才たちの諸行だ。
その中でも5年以上続けられる漫画家は10人に1人もいない。
プロ野球選手は1年で8割以上の選手が去って行かねばならない。
プロになるのは大変で、それを維持するのはもっと大変。
どれだけその物事が好きであったとしてもそのうちに苦痛になってくる。
けど、それを苦痛に思わない人間もいる。
世の中は、いろんな意味で残酷だ。