朝まで待てなかったので、夜中に2時間程別冊マガジンを求めて歩き回った。
でも、後悔はしていない。
かつてない迫力だった
進撃の巨人の作者は、画が巧い方ではないと思います。
でも、今月号のリヴァイVS猿の巨人程迫力のあるシーンはかつて見たことがないですね。
今週のリヴァイ兵長は、まるで鬼が乗り移ったかのような迫力でした。
漫画を読んで血が逆流するかのような一種の高揚感を感じたのは、かつて悟空がスーパーサイヤ人になった時以来かも知れないです。
リヴァイが強い とにかく強い
正直、今月号を読むまでリヴァイは猿の巨人に勝てないと思っていました。
猿の巨人はたった一体で調査兵団を壊滅させ、人類を恐怖のどん底に叩き落とした鎧の巨人さえ圧倒していましたし、ライナーのいくらリヴァイ兵長が強くても俺達の戦士長には勝てないという発言や、ミケ・ザカリアスを始め調査兵団の手練れたちを圧倒的な強さで惨殺したこともあり、大魔王バーンやフリーザ並の絶望感を感じていました。
先月の段階では、リヴァイやエレンを含め調査兵団側も人類も全滅するのかも知れないと思うほどの展開でしたが、今週は一気に流れが変わりましたね。
女型の巨人の時以上にリヴァイ兵長は強かった。
こんな強い兵長と互角に戦えたケニーより圧倒的に強いウーリはどれぐらい強かったんだと思いますが、今月のリヴァイは壁の中にいた頃とは別人の強さだと言えますね。
猿の巨人が完全に油断していたこともありましたが、女型の時と違い、むしろその時の経験があったからか硬質化させる間もなく猿の巨人をぶっ倒してくれましたね!!
相変わらず息切れはしていますが、四足の巨人の完全なる奇襲も避けていることからも、ある種の杞憂だったのかも知れません。
と見せかけて何かの伏線のような気もします。主に悪い方向に…
リヴァイ・マルロ・アルミン
マルロは死んでしまいましたね。
最後にヒッチの寝顔を思い浮かべながら…
思えば憲兵団関係はロクな目に合っていないですね。
ケニーと一緒にレイス家で下敷きになった人達も、リヴァイやアルミン、ミカサにやられた人、ケネスのように王を盲信していた人に、今回のマルロ。
憲兵団は本来特権階級的地位で、現代日本における官僚などに近い位置にあるのかも知れません。
1つの訓練所でトップ10にならないと入れない憲兵団。
本気で憲兵団組織を内部から変えようとしていたマルロの死は、何かを象徴していそうです。
腐敗しきった組織を変えるでもなく、ただ投石により死んでいった。
壁内人類が勝てばその功績で英雄となり、負ければ名も知らぬ兵士となり屍を荒野に曝すことになる。
まさに死者に意味を与えるのは未来を生きる生者な訳ですね。
ウーリが言っていた「近い将来必ず世界は滅ぶ」という意味がなぜか思い出されます。
死者を思い出す生者さえいなくなる世界。
そんな世界はやがて必ず来るんですよね。
村上春樹の書いた「海辺のカフカ」に、今目の前にいる数万の人だかりのうち、100年後もこの地上に立っている者はいないのだと思った瞬間寒気がした、というような描写がありましたが、なぜかそれを思い出しました。
マルロの死は、あまりにあっけなく、そしてあまりに当たり前のように感じられます。
対してエルヴィン団長はまだ生きている可能性がありそうです。
腹部を完全に貫かれていますが、注射をして巨人化すればリヴァイじゃないですがまだ生き残れる可能性はあるかも知れません。
そしてアルミンの震えが止まりました。
ベルトルトが言うように、震えているうちは何もできなかったアルミン。
アニの正体を見破り、ライナーやベルトルトが巨人であることをも突き止めたアルミンが、震えを止め、作戦を実行し、ついに死んでしまうのでしょうか?
猿の巨人にはまだ謎が沢山
ミステリーの要素を持ったダークバトルファンタジー、それが進撃の巨人だ!!
という訳で今月もいくつかの謎というか新事実がでてきましたね。
まず、猿の巨人は「レイス」の名前を知っていました。
壁内では限られた人間しか知らないはずの名前を知っているというのはどういうことでしょうか?
ライナーやベルトルトはレイス家が真の王家だと知っていたのでしょうか?
少なくともグリシャ・イェーガーは知っていた
ライナーやベルトルトの主要任務が座標の奪取だったとすれば、真っ先にレイス家を狙わなかったのは何故なのでしょうか?
子供たちには知らせていなかったのか?
レイス家=座標であることを壁外勢力は知っていた訳で、実際にレイス家に行ったのは子供たちじゃなくてグリシャだった。
グリシャの目的もまた座標の奪取だったとしたら、どうして襲撃のあったその日にレイス家を訪ねたのか?
何か月経ってもやはりこの部分は謎です。
地下室の謎とともに明らかになるのでしょうか?
次に「発想が貧困でワンパターンな奴ら」という言葉が気になります。
何度も同じ過ちを繰り返すと言っているので、やはり壁を作るために犠牲になった人達が大勢いるということなのでしょうか?
それと並行して猿の巨人ことジーク戦士長の「父親とは違うだろ?」という部分も気になります。
アニは父親の影響を強く受けて育ちましたが、ジーク戦士長も同じように幼いころから戦士として育てられたのかも知れません。
そして最後に、どうして巨人達はジーク戦士長の言うことを聞くのか?
座標とは巨人を操る力だとして、ジーク戦士長も同じ力を持っているようにも見えます。
あるいは座標はもっと強力な力なのかも知れませんが。
以前イルゼの前で巨人が言葉を発したことがありました。
ユミルの民と。
ユミルは世界の為に死んであげたと言っていました。
これらの事実が指し示すのは一体どのようなことなのか?
全ての答えが地下室にあるとして、進撃の巨人の物語はどこに着地をするのだろう?