今年最後の進撃の巨人となりました。
漫画には連載向きの漫画と単行本向きの漫画の2種類の漫画があって、進撃の巨人は完全に前者ですね。
もちろん、単行本で読んでも面白いのですが。
目次
フクロウの名前はエレン グリシャがエレンに巨人の力と地下室の鍵を託した訳
フクロウの本名がエレン=クルーガーだというのは驚きでしたね。
グリシャがその名前を息子にけたということは、エレンが生まれる前からエレン=イェーガーに巨人の力を継承させるつもりだったのでしょう。
エレンからグリシャ、そしてまたエレンへ
2人の息子に巨人の力とエルディアの未来を託したグリシャ
正直言って、かなりのイカレ野郎にも思えます。
そして、クルーガーがグリシャに、グリシャがクルーガーに巨人の力を受け継がせた訳も今月でようやく分かりましたね。
巨人の力を継承した者は13年しか生きられない
キースがグリシャを発見したのが20年前で、グリシャがエレンに巨人の力を継承させたのが5年前なので、微妙に計算が合わないような気もするのですがグリシャはエレンに巨人の力を託さなければならなかった訳ですね。
当初は、カルラが食べられたことにより急いでエレンに力を継承させたのかと思っていましたし、どうしてあの日地下室を見せる気になったのかずっと疑問でしたが、ようやく1つの謎が解けました。
グリシャはあの日、エレンに巨人の力とエルディア復興を息子に託すことにしていたのですね。
ジークにそうしたようにエレンにも…
グリシャが壁内に侵入した目的とレイス家を皆殺しにした理由
グリシャはやはり、はじめからレイス家の持つ始祖の力を奪うために壁内に侵入したんですね。
地下室での一件は、始祖の力を持つレイス家の協力を得ようとしたが断られたので始祖の巨人の力および無抵抗の子供の命を奪った。
レイス家の子供たちまで殺したのは腹いせかはたまたレイス家の血を根絶やしにするためか。
グリシャはたぶん、レイス家が始祖の力を受け継がないと力が発揮されないことを知らなかったのでしょう。
あるいはそれも嘘かも知れませんが。
レイス家ではなくフリッツ家の人間が継がなければ始祖の力が戻らないとしたら唯一その資格があるのはジークだけになる。
もし始祖の力を使ってエルディアの復興を目指すなら、エレンはジークに食われなければならない。
…
ジークは随分後になって巨人の力を継承したらしい
グリシャが壁内に移り住んでから20年は経っているので、ジークが未だ巨人化能力を持っているということは少なくとも13年以内に巨人の力を継承したということになります。
つまりこの13年以内になにらかの理由でマーレの戦士に立候補し、壁内侵入を開始した。
目的はグリシャが壁内に侵入した時と同じ始祖の巨人の奪還
一体何がジークを搔き立てたのか?
ジークはどうして5年前の壁内侵攻には参加しなかったのか?
マーレはジークがエルディア王家の血を引いた、おそらくは最後の人間であることを知っている。
もしかしたら、始祖の巨人はジークが継がなければ効力を発揮しないということを知っていたかも知れない。
なにらかの理由で、マーレ側はフリッツ家ではなくレイス家が壁の中の覇権を握っていることを知った。
それはすなわち、壁内人類が壁の巨人を自由にはできないことを指す。
だから、これを期に始祖の巨人を奪い、後顧の憂いを断つ作戦に出た。
これなら、5年前に突如壁内侵攻した理由もわかる。
でも、その後2度目の侵攻までに5年の歳月を要した理由はわからない。
練度から考えても、ジークはライナーより巨人化練度が高いので、多分ライナーよりも前に巨人の力を受け継いでいると思う。
マーレ側からすれば、ある意味ジークは最も危険な人物なのではないか?
ジークに始祖の力が渡ったら、それこそ壁の中の巨人が一気にマーレに攻め込んでくる可能性がある。
実は1回目の侵攻はマーレ側の指示で、2回目はジークの独断だったりするのかも知れない。
グリシャの日記で、敵が一体何者かはわかったけれど、どれぐらいの戦力があってどうやったら倒せるのかはいまだわかっていない。
壁内人類は、巨人の数も純粋な技術力も劣った状態で敵がどのくらいの規模なのかもわからずに戦わなければならない。
孫子の兵法書にある
敵を知り 己を知らば 百戦危うからず
敵を知らず 己を知らずんば 百戦危うし
今の壁内人類は100戦やって100戦負ける状態だ。
突如出てきた血液検査
さりげなく出てきましたが、エルディア人であるかどうかは血液検査をすればわかるようです。
現代の技術でもできるのでしょうか?
少なくとも第二次世界大戦以前の我々の世界ではできないことでしょう。
技術的な問題ではなく、なにらかの血統的な因子があって、それを見分けることができる。
そういうことだとすれば、やはりエルディア人には何か他の民族とは異なる何かがあるのかも知れません。
気になるのは、グリシャの記憶の中には1人としてエルディアとマーレのハーフが存在しないことです。
壁内にもそれらしい人物はいませんでした。
唯一可能性があるのはリヴァイ兵長ただ1人です。
これもアッカーマン家がマーレ人である前提ですが。
エルディア人がマーレの歴史の通りエスニッククレンジングを行ったのだとすれば、マーレ人の大半はエルディア人の血を引いていて、血液検査は成り立たないはずです。
でも、実際には血液検査でマーレ人かエルディア人かの区別がつく。
現在、世界の人口の4人に1人はかつてのモンゴル帝国を形成した人間の血統因子が見られるそうです。
モンゴル帝国の全盛期は12~14世紀半ば。今から700年以上も前の話です。
作中の巨人大戦が80年前(+20年前)なので、エルディアの支配下にあったとすればもっと血統因子は濃くなるはずです。
でも、そうじゃないとするならば、実はエルディア人はエルディア人同士でしか子孫を残せないのかも知れない!
と思ったけどやっぱちげーわ。
そうなるとリヴァイの存在が説明できなくなるんですよね。
多分、壁内貴族たちは奴隷の血とは交わりたくないという発想のもとマーレ人同士の結婚を繰り返してきたと思いますし、リヴァイだけが例外かも知れません。
もっとも、リヴァイの父親が実は壁内貴族のマーレ人という可能性はあります。
ミカサは東洋人とアッカーマンのハーフ。
しかも、ミカサは最後の純粋な東洋人の末裔。
これは、東洋人が東洋人同士の結婚を代々繰り返したことをもさしています。
東洋人とエルディア人のハーフはいない。
エルディア人は他の民族と子供を作れないのだろうか?
ねぇ、あかちゃんはどこからくるの?
ミカサの発した言葉は、実はものすごい意味があるのかも知れませんね。
「いってらっしゃいエレン」はどのエレンに誰が言ったものだろうか?
ふと思ったのは、第1話の「いってらっしゃいエレン」はエレンイェーガーに言ったのではないという可能性が出てきたということだ。
エレン=クルーガーに言ったのかも知れないし、あるいは別のエレンに言ったのかも知れない。
言った人間もミカサではなく別の東洋人かも知れない。
記憶は受け継がれる。
いままでは巨人化を介して記憶は受け継がれるものと思われていたが、今月の話でまるで一本の道であるかのようにつながっているという記述があったので、エルディア人全体が何かを共有しているのは間違いがないでしょう。
エルディア人はあるいは作られた民族なのかも知れませんね。
記憶操作が可能で、記憶や何かの力を共有している部分があり、注射一本で巨人になれる。
2000年後の君へは一体誰を指すのか?
第86話のダイナの話によれば、壁の中に逃げたのは145代目の王。
王が正確に巨人の継承を終えたのだとすると13×145=1885年
そこからさらに108年が経過しているので1885+108=1993年
さらにエレンが後7年と少しの寿命なので、1993年+7=2000年
まず間違いなく、2000年後の君の二人称はエレンが引き継がせるだろう時代の巨人継承者となると思います。
考えられる可能性は何通りもありますが、継承者の有力候補は2通りだと思います。
エレンとミカサの子供
エレンとヒストリアの子供
進撃の巨人のヒロインはミカサなので、ミカサとエレンの子供が有力そうですが、エルディア人であるエレンとアッカーマンと東洋人のハーフであるミカサの間に子供ができるかどうかは不明ですね。
エレンとヒストリアの子供が生まれたとすると、ある意味壁内の生まれながらの王が誕生し、レイス家に始祖の巨人が戻ることになります。
エレンが子供に巨人の力を伝承する前提ですが、アカの他人に継承させるよりは可能性が高そうです。
仮にエレンが自分を食べさせなかったとしても、ユミル=フリッツが死んでから2000年後の誰かにはユミル=フリッツの始祖の巨人が受け継がれるのです。
進撃の巨人の物語は、その時が最後なのかも知れません。
あるいは、9つの巨人のすべてが1つにまとまる継承者が現れ、大地の悪魔にその力を返すのかも知れませんね。
追記:第一話 2000年後の君へ を読み返したら、「エレンいってらっしゃい」のページだけページ数が記載してあったんですね。
しかもその数は「13」
明らかな意図をもって13ページ目にエレンいってらっしゃいを置いた意味とは何なのでしょう?
キリスト教でで裏切り者の使途の数である13
13年ごとに繰り返される巨人の継承
845という数字
目標は1体だけだったのに壊滅寸前のダメージを受けていた調査兵団
ライナーと同じ姓をもつブラウン
「ここで誰も続く人がいなくなったら今まで死んだ人の命が無駄になる」
グリシャがエレンに地下室の鍵を見せると言ったのはこの直後のことでした。
1話にはまだ、明かされていない謎がいくつもある。
この漫画の作者の頭の中はどうなっているのだろう?
かつて、進撃の巨人は少年ジャンプに持ち込みをし、連載を断られた。
今はその時の担当者の判断を絶賛したいと思う。
もし進撃の巨人が少年ジャンプで連載されていたら、すぐに潰れていただろう。
今まで幾多の数ある才能をつぶしてきたように。
漫画は担当で変わるんだなぁとつくづく思いますね。
自由であることと奴隷であること
クルーガーの話では、進撃の巨人だけはいついかなる時代においても自由のために戦ったそうです。
調査兵団もそうですが、この漫画の象徴的なモチーフとも言えるのが「自由への意思」だと言えます。
憲兵団やレイス家は自由への抑圧の象徴で、大ボスとも言えるマーレ人も自由への抑圧を象徴していると言えるでしょう。
まるで第二次世界大戦の大義が自由であったように。
ヒトラー、ムッソリーニを中心とするファシストこと全体主義は、自由への抑圧をすることで爆発的な力を手に入れた集団だと言えます。
冷戦の敵役だったソビエトやカンボジアで恐怖政治を行ったポル=ポトなど、為政者が自由を抑圧した例は数限りなくあります。
一方で、ケニー=アッカーマンの残した「みんな何かの奴隷だった」というのも1つの大きなテーマだと思います。
グリシャやクルーガーはエルディア復興の奴隷と言ってもいいほどその生涯を燃やし続けました。
エルディア人全体は今もユミルの意思とでもいうべき何かに縛られているようです。
そして何より巨大な壁
人類を外敵から守ってくれる壁が何より人類の自由を奪う壁になっている。
恐らくはユミルの支配からの脱却を目指す進撃の巨人が、ユミルの支配の象徴たる始祖の巨人と同化している。
グリシャは生まれる前からエレンに巨人の力を引き継がせるつもりだったのかも知れませんが、あるいはエレンが誰よりも自由への意思が強いことから進撃の巨人を託すことを決めたのかも知れません。