腰痛には腰を温めるのがいい!その効果と注意点について解説!

近年,腰痛は自覚症状、主症状として病院を受診する方の中でも上位に入る程、悩まされている方が非常に多いものとなっています。一般的な整形外科等では、腰痛に対し機械を用いて温めたり、電気刺激を加えたりという治療が多用されています。今回は、腰痛に対して腰を温めることが、どのような効果をもたらすかについてまとめます。

腰を温めることによる効果は?

温めると気持ちが良いし、何だか軽くなった気がするという経験をお持ちの方も多いと思います。しかし、温めると何故腰痛がラクになるか、その理由は意外と知られていないものです。
腰を温めることの目的としては、加温による組織の温度を上昇させることに伴う、様々な生理学的な作用を利用して、腰痛の改善を図ることにあります。具体的には、痛みを減少させることや循環の改善、硬くなってしまった軟部組織と呼ばれる筋肉やコラーゲン線維の柔軟性を改善すること、筋肉のこわばりを減少させること、創を治す力を促通させること等が目的となります。ここでは、主に痛みを軽減させることについて述べます。

まず、温めることによる痛みの軽減効果には、様々なメカニズムが関与されていると考えられていますが、すべて明らかになっているわけではありません。その中でも特に有力なのは、循環系、つまり血管に対する効果と、軟部組織と呼ばれる筋肉やコラーゲン線維の伸張性の改善効果です。

腰を温めることにより、血管が拡張し、その分血流量が増えます。これにより、組織に十分な酸素と栄養が供給されるだけでなく、二酸化炭素や乳酸等の老廃物、痛みを発生させる物質が血流に乗り流されることで、痛みが軽減します。また、筋のリラクセーションが得られることにより、リラックス効果が得られて筋肉内の血管が拡張し、血流が改善することで、上記に述べたような作用が生じることも考えられます。

温めた後はすごく楽だけど、少し経つとすぐに戻ってしまうという方は、これらの原因で痛みが生じていることが考えらえます。
特に慢性痛になりやすい腰痛は、心理的な部分との関連性が高いと報告されています。この為、温めることによるリラックス効果が自律神経系に影響を与え、気分がよくなることで、慢性痛から抜け出すことができると考えられます。

また、温めることにより、筋肉の柔軟性が改善されてきますが、関節の動きが良くなるという報告もあります。これにより、関節がきちんと動くことで、腰痛が改善されるという作用です。しかし、体を外部から温める場合、一般的なホットパックや、お風呂等での温めでは、皮膚よりも深い組織を温めることが難しく、関節周囲の筋肉等にアプローチすることは困難です。この為、こういった関節周囲の循環を改善したい場合には、医療機関等を受診し、超音波や極超短波と呼ばれる、より深い組織を温めることができる器具で治療することをオススメします。

上記に述べたように、温めることで、これだけの影響を体に及ぼし、腰痛の改善が期待できます。しかし、その人によって原因となっている組織が異なる為、根治療ではなく、対処療法として行って頂くことをオススメします。

気を付けなければいけない事は?

腰痛に対して、これだけ高い効果をもたらしてくれる温めですが、誰でも行っていいという訳ではありません。原則的に温めてはいけない方が出てきます。急性の外傷、炎症がある方、出血しやすい方、感覚に障害がある方、悪性腫瘍がある方です。

まず、急性外傷、急性炎症がある方です。これは、温めることにより、温度が上昇することによって、血管が広がり、局所循環が促進されます。しかし、怪我をした直後や、急性に炎症している部位では、出血やムクみを助長することになり、症状を悪化させてしまうことに繋がります。
次に、出血しやすい方や、他の病気により、血が固まりにくくなる薬を飲んでいる方は、上記の理由で温めはオススメできません。
また、他の原因疾患により、感覚に障害がある方、特に温度を感じる感覚に障害がある方です。感覚に障害があること自体は、温めは禁止になりません。なぜなら、温めている感覚が得られず、火傷をしてしまうことや、その効果を判定することが困難である為です。特に、温かい感覚、痛みを感じる感覚が完全に無くなっている部位には、温める方法は禁止となります。
最後に、腰痛持ちの方で全員が該当するわけではありませんが、悪性腫瘍がある方も禁止です。これは、悪性腫瘍の部位に限らず、温める刺激により腫瘍細胞の成長と転移を促す刺激となってしまうので、温めが禁止となります。

これらに該当する方は、原則的に温めることが禁止となります。慢性腰痛には効果がありますが、急な怪我をした直後の方や、悪性腫瘍がある方は、温熱治療自体が禁止となります。もし該当していそうな場合は、症状を悪化させる可能性がありますので、速やかに医療機関を受診することをオススメします。

まとめ

温めをしてもいい人、温めてはいけない人を、以下の表にまとめました。

 

温めしてもいい人

温めてはいけない人

痛みがある人(受傷して直ぐは除く) 急に痛みが生じ、まだ間もない人
筋肉等による慢性的な痛みがある人 出血しやすい傾向にある人
筋肉のこわばりによる痛みの人 感覚に障害がある人
悪性腫瘍がある人

上記の表にまとめた通りで、温める刺激は、一般的な慢性腰痛に対しては特にその効果を発揮してくれます。一方で、急性の腰痛や、他の疾患を合併している方は、注意する必要があります。温めを行う前に、自分は温めても大丈夫なのかを判断することが重要です。もし少しでも不安な方は、きちんと医療機関を受診してから、温めることをオススメします。

作成者:hayato.k0608
自己紹介:普段は整形外科で理学療法士として勤務しています。腰痛で悩まれている方が多く、少しでもお力添えになれたらと思い、お仕事の依頼を受けさせて頂きました。
エビデンスに基づいた記事の作成に努めていければと考えています。よろしくお願い致します。

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